家事

料理の不思議

母や叔母のつくってくれた料理が美味しくて、レシピを聞いて自分でも作ってみることがある。

食材も調味料もレシピ通りに作っているのに、美味しいと感じた “ あの味 “ がうまく再現されておらず、不思議に思うことがよくある。

レシピに書かれた“ 塩少々 “ の少々具合だったり、使っている“ しょうゆ “ のメーカーが違っていたり、野菜の火の通し具合だったり。小さな違いが完成度に影響するのかもしれない。

逆に私が作った料理を母が気に入り、再現した料理を食べたこともあるけれど、やはり少し違った仕上がりになっていた。なんとも不思議で面白い。

レシピとして文字に起こせない何かがあるのだろう。

ただ、なんども食べている大好きな味つけは、経験上、再現度が高くなる気がする。

ニンニクの効いた『すた丼(定番メニュー)』が好きで、家でも作れないものかと、レシピを検索して作ってみた。

豚肉は厚みがあって噛みしめるタイプよりは、食べやすいしゃぶしゃぶ用がいいなとか。ニンニクは多めに使おうとか。具体的なこだわりも多かったせいか、食べてみるとイメージ通りの “ あの味 “ が再現されていた。

同じレシピを見て作ったにも関わらず、作った人によって違いがでるのは、それだけ料理が繊細なもので、ちょっとした材料や工程の違いが味に出るのだろう。  

だからこそ、その人にしか作れない “ あの味 “ があるのがなんとも面白い。